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2017/10/20 (Fri) -

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Scrap Blend 2杯目 ACT1
2009/11/26 (Thu) - SclapBlend

すっかりアップした気になってましたごめんなさい(
HPの改装中に気付いたというね。

というわけでこんばんわ、Scrap Blend第2章です。
既存作品ではこの章の途中で止まってしまっていたんですが、ちょいちょい書き足してます。

では、どうぞ。

======

とある駅の地下道を、一人の男が歩いていた。
銀色と見違えるような薄い紫の髪を肩まで伸ばした彼は、顔立ちはどこか女性のようにも見える。頭につけた桃色のヘッドホンから、同色のコードが黒い無地のワイシャツの胸ポケットの中へと伸びていた。
冷たい風が通り抜ける駅の地下道。動く姿は彼を入れて3つのみ。
「……?」
そのうちの二つ、どちらも男の影が、人目を避けるようにこそこそと上へと上がっていく。

ヘッドホンをはずし、彼は耳を澄ませる―――


――自分が何か、わからずに、
――答えを探して、彷徨って。
――鏡に映った、自分に向って、
――答えをくれよと、泣き叫ぶ。

 
Scrap Blend
二杯目 大樹の上の孤城
            -Vampic Castle Saga-





 
Act1


5階建てほどのビルとビルの間の、狭い路地の中ごろ。
一人の男と向かい合う形で、三人の男が立っていた。
三人のうちの一人が、スーツケースを差し出す。
「じゃあ、金を貰おうか」
「……すまんが、金は無いんだよ。鉛弾じゃだめか?」
ケースを受け取り、まるっきり三流役者の台詞を吐いて、三人の男のうちの二人――地下道に居たの男の片方が銃を取り出す。
もう片方は銃を向けられた方の男だ。 しかし彼はむしろ、勝ち誇った様な笑みを浮かべた。
「そナことしたラ、あナた会社の信用ナくナルますよ? しかも今は周りにボディーガードが――」
「それは、そこで倒れてる木偶どもか?」
片言の日本語で綴られた言葉を遮って、銃を構えていない方の男が言う。
その言葉に周囲を見回し、現実を目の当たりにし――
「逃げようとしても無駄だぞ」
サイレンサーをつけた、独特の銃声。
逃げようとする男の足に、容赦なく銃弾が打ち込まれた。
「まぁ……地獄でまた会――」
悪役が言いかけたとき。

べちゃ。

ガムが、降ってきた。

「……は?」
「はいはい、そこまでー」
思わず上を見上げる。二つのビルの屋上から見える狭い空に、突然黒い影が飛び出てきた。
隣のビルの屋上――5階建てくらいだろうか?――から飛び降り、見事に着地したのは、銀髪の女だった。
『なっ…!?』
驚愕の声を上げる3人を無視し、銀髪女はくるりと回れ右をする。
「わりーけどオッちゃん、話は聞かせてもらった」
「へ?」
「逃げるぞ!」
「あ……ああ」
事態が飲み込めてない様子だが、その言葉を聞いて銀髪女――否、銀髪男は男を抱え上げた。
「な……何だお前は!? そいつをどこに連れて行く気だ!?」
正気に戻ったらしく、2人組の一人が喚きながら追ってくる。
「通りすがりの、」
その声に抱え上げまま振り返り、銀髪男が言った。
「――正義の探偵だ」

  φ

「ふぁ……」
読んでいた本を閉じ、凌次が大きな欠伸をした。
身長は平均的だが細身で、縦長に見える。濃い茶色の短くはない髪が天然で外向きに跳ねている。
愛用の細渕のメガネを外して目元を揉んで、再びかけ直す。
何処かの国の、何処かの街の、何処かの路地の、小さな喫茶店『SCRAP』。
今日の客入りは中の下――むしろ下の上といったところか。どちらにせよ結局、暇な事には変わりはないが。
「ねむい……ってこら鏡弥、寝るな寝るな。お客さんが来たらどうする」
「……どうせもう昼すぎてっからこねーよ……」
テーブルに突っ伏して今にも寝ようとしているのは、ウェイター姿の鏡弥だ。
背中まである、艶のある黒い髪を赤い紐で無造作に縛っている。あいにくと、今は彼の高い鼻と釣り目は今はテーブルと向かい合ってみることはできないが。
「表、掃除してきまーす」
「はーい」
唯一元気なのは、黒いショートカットの小柄な女性――唯那だった。
凌次の返事を聞きながら、ドアのベルが澄んだ音を立て――
「きゃっ!?」
開いたドアから唯那が跳びすさる。それを追うように、
「白!」

サラリーマンを抱えた、銀髪の変態が飛び込んできて唯那のスカートをまくって逃げた。

「ちょい、ごめんよっ!」
「どぁっ!?」
鏡弥ごと机と椅子を蹴倒し、変態男がカウンターを飛び越え凌次の足元に潜り込む。
「ちょっ……」
凌次が文句を言いかけた所で、どたばたと別の足音が聞こえてきた。
「……なるほど」
呟き、タバコをくわえてライターを取り出す。程なくして、2人の男が駆け込んできた。
「すまないが、ここにサラリーマンを抱えた銀髪の変態が飛び込んでこなかったか?」
「すごいな、俺の思った通りの的確な表現」
「え?」
「ああいや、こちらの話。その男ならさっき勝手に人の店に飛び込んできて……」
よほど『ウェイトレスのスカート捲ってここに潜り込みました』と言ってやろうかと思ったが、よく考えればそんなことをしたら後から殴れない。とりあえず……
「……あちらに」
「……何だ、今の間は?まさか、匿っているんじゃないだろうな?」
「まさか。そんなことしても何の得にもならないじゃないですか」
言いながら、煙草に火をつけるフリをして、ライターに内蔵のスイッチを押す。
スイッチに反応して店に響いたのは、奥の扉が勢いよく開く音。何かあったときのために色々と仕掛けがしてあったりするのだ。
「あっちか、追うぞ!」
気づけば、既に2人組は移動を始めていた。
男たちがドタバタとやかましく走って行ったあと。凌次が足元を覗き込む。
「で、変態さん、一体何が――」
「……あれ、凌次?」
「へ?」
名前を呼ばれ、改めてその顔を見つめる。
「………白兎(はくと)?」
凌次を見上げるその顔は、よく知ったものだった。
「やっぱそうだ!凌次だ!」
やおらガバッと起き上がり、カウンターの向こうの唯那に振り返る。
「……ってことはそっちは唯那ちゃん!?ひっさしぶりー!」
「なぁぁぁにが『ひっさしぶりー!』よこのナンパ男!」
「痛い!痛い!痛いよ唯那ちゃんっ!これってあれか、スキンシップ!?」
「勝手に言ってなさい!」
容赦なく椅子で殴られてなお喜ぶこの男は……
名前は、稲葉野白兎(いなばの はくと)。軽さなら凌次の知っている中で五本の指どころかナンバーワンに輝く。
『飛行機事件』以来、離れ離れで連絡も取れなかったが、これでも凌次のいとこ。鏡弥や唯那とも付き合いが長い。

さらに、彼は『人間』と『兎』の合成人間である。

脚力、聴力はScrap Blendの3人よりも格段に優れている。
「てめぇこら!人のことすっとばしといて謝罪もなしか!」
ようやく起き上った鏡弥も、椅子を持って白兎に食って掛かる。
「おお鏡弥だ! 相変わらず荒いねー!」
椅子を得物にした乱闘の中でもなお、元気に挨拶を交わす白兎。
しばし乱戦が続き――
「すっ……すみません……ちょっ……と静かに……」
『……あ』
足から血を流しているサラリーマン風の男の事を思い出したのは、コーヒーが出来た頃だった。

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