mixi:栞那 : pixiv:Shiory : twitter:shiorinoji0309 : Piapro:栞那@暴挙の人 × [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
Scrap Blend 1杯目 Act4
集中講義関係がひと段落したので、いまさらのようにUP。
実は学校からUPしてますサーセン とりあえず、これで1杯目終了です。 既存品だと2杯目は途中で切れてたんですねぇ。何やってんだ過去の栞那。 というわけで2杯目からはほとんどオリジナルです。お楽しみに。 ・・・お楽しみに(何 ====== リーダーの悲鳴が、響き渡る。 宙を舞った『サイドワインダー』を、凌次の左手がキャッチした。 『異形』はいつの間にか、元の凌次の細く白い腕に戻っていた。 左手の『サイドワインダー』を一瞥し、最初に壊れた壁の辺りに居た鏡弥たちへと向き直る。 「…………」 歩美は、俯いたまま相変わらず動かない。 「……歩美ちゃん」 長い髪に隠れて表情がわからない。そして、鏡弥も唯那も何も言わない。 相変わらず、沈黙を続ける歩美。ため息をつき、凌次が言葉を続けた。 「市野原さんに連絡を取ってくれないかな?解体完了だって」 そして、歩美が顔をあげた Scrap Blend 一杯目 いらっしゃいませ -Welcome to the Cafe SCRAP- - A c t 4 - 「――…気に入ったわ!」 『……はい?』 一同の声が見事にハモる 「その度胸! 技量! 素早さ! 何より不思議な力! 気に入った! どう!?私と一緒に盗賊やらない!?」 凌次の手をとり、目を輝かせて言う歩美を見て、噴出したのは鏡弥だった 「無理!無理!凌次に細かい作業は無理だ絶対!」 「不器用だから解体屋やってんのよ、特に凌次」 「……二人とも、その言い草はひどくない?」 楽しそうに笑う、鏡弥と唯那を半眼で睨みつつ、凌次が言う。 「じゃあ……仲介屋やらせて?」 『……はい?』 再び、3人の声がハモる 「盗賊家業の情報網を生かして、そういう仕事もやってるの! どう? 一緒に――」 「ストップ」 突如、歩美の台詞を、鏡弥が止めた。 「何よ――」 「逃げるぞ、サイレンが聞こえる」 その言葉からほどなくして。 『ハニーハント』支部は、包囲されると同時に崩壊を始めた。 φ 「っっどえええぇぇ!?」 「……暴れすぎたな」 「冷静に言ってる場合じゃないでしょ!!」 凌次が叫び、鏡弥が言い、唯那がツッコむ。言い合いしながら必死に逃げる一行。 「そういえば、1階の研究室がダミーだったんだけど! 凌次君何か聞いてない!?」 走りながら歩美が叫ぶ。 「あ、そうだ! 地下に研究所があるとか言ってたよ!」 「量産を防ぐことが目的なら、研究所ごと破壊しなきゃじゃないの!?」 凌次と唯那が叫ぶような声で言い合ってる間にも、脆くなっていたリーダーの部屋の方から徐々に屋敷が崩れていく。 口を挟んだのは、鏡弥だった。 「お前ら! ちょっと来い!」 φ 「離れてください!危険です!離れてください!」 野次馬と報道陣を押し、警官が叫ぶ。 崩れ始めた『ハニーハント』支部の周囲は、騒然としていた。 「どうしますか!?」 「突入もできんだろうが!どうしようも――」 『うおおおおおおおお!』 警官たちの会話を遮り、叫び声が近づいてくる 「……何だ?」 「どいてどいてどいてどいて!!」 「爆弾だー! 爆発するぞー!」 顔に布を巻き、顔を隠した男が二人、叫びながら大きな箱を持ってきたところだった。 「な……!?」 「何か突然乗り込んできた奴らがこれを仕掛けて逃げたんです! とにかく皆離れて! これと同じのがさっきから爆発していってるんです!」 『何いいぃぃ!?』 ずざざ、と一気に退く野次馬たち 「って……どうしようこれ!?」 「バカ!俺が知るか!」 二人が言い争う中、野次馬の中から声が聞こえた。 「屋根の上に誰か居るぞ!」 その声に、野次馬と警官たちの視線が屋根の上へと集まる。 そこには、覆面を被った二人の人影があった。 左側の人影が、何かスイッチのようなものを取り出し、いじる。 「……おい、あれって起爆スイッチって奴じゃないか?」 そう言ったのは誰だったか。 ずざざざざっ! 一斉に、マフラーの二人から野次馬が遠ざかる。 屋根の上の人影は、気づけば居なくなっていた。 箱が光を放ち――閃光と煙が、周囲を包む。 直後、『ハニーハント』支部は地盤から完全に崩壊した。 φ 「ふぅ…何とか逃げ切ったね」 「すっげぇ無理矢理だったけどな」 「即興にしてはよかったんじゃない?」 言うまでも無く、マフラー組と覆面組は、スクラップブレンドの一行だった。 屋根の上にいたのが唯那と歩美。覆面を被り、体を布で隠せば女だとバレることも無い。 ちなみに、屋根の上の人影に気づいた野次馬役は市野原だったりする。 今は、店へと向かう帰り道。一芝居うったせいで、歩美もバイクは置いてスクラップブレンドの車に同乗している。 「そういえば、いつもあんなに派手に暴れてるの?」 「そうだなぁ。大体あんな感じ」 運転しながら、歩美の質問に凌次が答える。 「あー。私たち、国籍ないのよ」 唯那がさらりと言い放ち、言葉を続ける。 「私たちは皆、3年前に飛行機事故で死んだことになってるの」 「…………へ?」 突然の告白に、目が点になる歩美。 「その飛行機事故の被害者は120名。ヘキサエアライン1206便は隣国に向けて離陸後、1時間ほど経って突然の制御不能に陥り、隊兵洋に墜落した」 追撃をかけたのは鏡弥。 「まさか……機体からは死体が一つも発見されなかったっていう、あの怪奇事件?」 「ああ。表向きは全員沈んだ、ってことになってるみたいだな」 「……俺たちはね、人間と機械の合成物、そして人間と動物の合成物の実験台にされたんだ。」 最後に言葉をつむいだのは、凌次。 「ヘキサエアラインの親会社、『ポリヘキサゴン』にね。」 「え……!? ちょっ、ちょっとまって!?」 その言葉に、歩美が反応する。 「ポリヘキサゴンって…この国が誇る世界一の企業じゃないの!?」 「ああ。世界一だ、表でも裏でもな。『ハニーハント』以上の影響力を持ってる。 それゆえに、あんなことが出来たんだ。」 「被験者は120人、その内生き残ったのはたったの30人。 ……でも、表の世界に出たのは私たちを入れてたったの8人。」 「――俺達をこんな体にした奴らを解体するのが、俺達の目標なんだ。」 φ 「改めまして……ご協力どうもです」 少しだけ重い空気の中、店に帰ってきたあと。 依頼主の市野原を含めた全員が、カウンターに集まっていた。 凌次が、奪取した『サイドワインダー』を差し出し、事情を説明する。 「ふむ……ということは、『合成人間』の研究をしていたのか、あの支部で。」 「そのようです。」 「わかった、あとは我々で何とかしよう。」 「お願いします。」 淡々と、凌次と市野原が商談を行う中、唯那がコーヒーを運んできた。 「……ああ、そうそう。ちょっと派手過ぎた気がするぞあれは」 市野原がニヤリと笑う。得意げに笑いながら、凌次が言い返した。 「大丈夫ですよ、警察には見つかってませんから」 「……ん。何を言ってる」「……え。何言ってんの?」 市野原と歩美の声が被る。きょとんとした表情の凌次に向かって、市野原が言った。 「私は警察の者だぞ」 『ええええええええ!?』 本日三度目、三人の声が見事にハモる 「何だ、言わなかったか?『見てのとおりの職業』だと」 「いや……そう言ったからてっきり……」 ――なんとなく、先を続けることは出来なかった φ 何処かの国の、何処かの街の、何処かの路地に、一軒の喫茶店がある 『SCRAP』 解体という名のその店は、客が多くも少なくも無いような……そう、よくある喫茶店 もしその店を見つけたら。あのコーヒーを注文しよう ――『スクラップ・ブレンド』を PR COMMENTSCOMMENT FORM TRACKBACKSTRACKBACK URL |
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